| 居酒屋巡り:居酒屋ぽん太
さて、今回ご紹介のお店は「ポン太」です。スリウォン通り、角がねぎらーめんの店を
曲がった所…。う、男がいっぱい。カッコイイのから、オカマ系がウヨウヨしています。
右に視線を寄せないで下さい、左にしっかり寄って下さい。
そこだけが、優しい赤提灯の光に揺れています。
この怪しいsoiに似つかわしく無い程、和み系の居酒屋がポン太です。
おでん鍋から湯気が昇り、中から和気藹々とした声が聞こえて来ます。
勿論、日本人なら誰でも、安心してドアを開けたくなるような店構えです。
早速中に入ってみると、これ又ビックリ、店内は広いとは言えませんが、
美人のママ、ポムさんを筆頭に若い女の子が4人も居ます!見事な位、
全員可愛い子達ばかりです。
でも、こう言うお店は、女の子の若さと可愛さが売りで味は余り期待出来かなぁと、
適当に日本語メニューを開きました。すると、空かさず、帰省中のママさんの妹さんが流暢な日本語で話しかけてきました。
「先日、大阪の木須市場で日本の食材50kg担いで戻って来ました!
新鮮な野菜や魚、いっぱいです!きしめんまで持って帰ってきました!」
よくよく、聞いてみますと、ママさんとこの妹さんが毎月、直接日本へ食材を
買い出しに行っているとのことで、旬のモノを安くお客様にご提供できるとのことでした。お二人はこのお店を出すまで、大阪、名古屋、京都、東京と食べ歩きをし、
その結果、大阪の味に惚れ込んだそうです。
因みに、このお二人は非常に華奢でどう見ても、50kgの荷物には
到底及ばない体重の持ち主です。
では、お二人の汗と涙?の結晶、日本の食材をふんだんに使った、
料理を戴いてみましょう!カウンター向こうの板場を覗くと、4人の板前さんが
寡黙に人参を星の形に刳り抜いたり、短冊切り、銀杏の葉切りに精を出していました。手元だけを見ていると、日本人の板前さんと何ら代わりがありません。
明るい店内に揺れる美人のママさん、可愛い妹さんや若いウェイトレスの
笑顔や屈託のない日本語のお喋りだけでも満足なお店なのに、その上、
食材は日本から50kg、板前さんは、え?20年もこの道一筋?…マズイ、
その上味まで良かったら、良いこと尽くしで記事がワザとらしくなってしまう…!
お願い、ちょっとくらいマズイものが出て来ますように…!私の祈りは虚しく、
24時間以上煮漬かったおでんは絶品、目にも鮮やかなポン太鍋もヘルシーで具沢山、舟盛りのお造りも美味しいとしか言い様が無く、プリプリのイカの天ぷらは
冷めても風味は損なわれず、その上、チョーヤの梅酒で乾杯しましょう?
ええー!良いんですか?お酒の飲めない女の子でも梅酒だけは別腹で一気に
飲んでしまいますよ!
と、その時、ママさんの目が光りました。「このコロッケ、ダメ。肉とポテトの
比率を逆にして。」ママさんが板場へ厳しく指示を出します。私にとっては
手作りコロッケの様な暖かみが充分伝わったモノでしたが、
「大阪では手作りと言っても、素人の味を出すモノでは無いです。プロとしての
味を出さなくては行けません。」とママさんはキッパリ。この時、私はハッキリと
ママさんの芯の強さを見て取ることが出来ました。
最近、タニヤにNo5と言うカラオケクラブの姉妹店を経営もしているとのことですが、
そちらの女の子から毎日のように出前の注文を受けるのがイカ塩辛ヤム(120B)。
見事なまでに和タイ折衷でビールのあてに最高です。
他に、イサーン料理屋台でも滅多に食べられないアヒルの嘴焼き(85B)も
パリパリです。1時を過ぎると、女の子達の殆どが此方へ夜食を食べに集まり、
更に華やかさを増して行きます。
大変困りました。連載早々にして100点満点が出てしまいました。
兎に角、殺伐とした雰囲気の中で、暗く侘びしく、不味いモノを食べるのが
お好きな方は、絶対行ってはいけないお店です。行けば、家に帰れなくなります。
居心地が良すぎます。
バンコク週報2001年12月21日号、居酒屋巡り記事より全文抜粋 |